上地完文が、約100年前に中国福建省で学んだ拳法を元に創始された空手流派。
沖縄では三大流派の一つに数えられ、隆盛を誇っている。
近代中国拳法の技法をそのまま伝えている点と、打撃によって全身を激しく鍛えるところに特徴がある。
●上地流の特徴
上地流の基本をなす形は「三戦(サンチン)」である。
この形は単純に見えるが、立ち方、構え方、進み方などその動きは、上地流の特徴とする武道空手の術技を修得する上で、もっとも重要である。
三戦を反復練習する事により、心と技と体が同時に練られ、心技体の基礎を司る呼吸法が、同時に修練される。
三戦を繰り返すことにより精神力も強まり、耐えうる力、打たれ強い体、攻撃技、守備技、瞬発力、を高めることが出来る。
稽古の特徴として上げられるのが小手鍛えである、互いに激しく小手を叩き合って鍛え攻撃力、防御力を強化する。
上地流の攻撃技の特徴として、指先、足先を使った技が多見られるが本来、上地流の打撃技に、正拳はなかったので、貫手や拇指拳を使うことが多く、蹴り技においても足の指先を固めて蹴る、足先蹴りを特徴としている。
上地流の拳質は、龍、虎、鶴、の拳で特性はこの3種の動物の攻防の原理を、体系化したというところにある。
上地完文(1877~1948年)を始祖とする空手道の流派。明治30年(1897年)、完文は拳法を学ぶため、中国福州に渡航。
その後間もなく、当地の拳術匠・周子和に師事。
13年間、わたって虎拳(パンガイヌーン拳法)を修行、体練型の「三戦(サンチン)」「十三(セーサン)」「三十六(サンセーリュー)」
の3つの型と「小手鍛え」の技法を伝授された。
帰国後、大正15年(1926)和歌山市に社宅道場を開設する。
1932年(昭和7年)に道場名を、〈パンガイヌーン流空手術研究所〉とし、拠点を沖縄に移し伝授を本格化する。昭和2年、 完文の長息、完英が17歳の時、父完文から中国直伝の秘技パンガイヌーン拳法を師事。1940年、流派名を(上地流)と改め、 道場名も「上地流空手術研究所」とした。